高山医院

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便秘と痔を予防するための生活改善法

便秘と痔を予防するための生活改善法

食事や運動、睡眠などトータルに生活習慣の見直しを
排便スタイルは、少し前屈みで!

便秘や痔は、生活習慣の乱れから起きていることが多く、食事内容や生活習慣などを見直しなさいという警告サインでもあります。どのようにして便秘や痔を予防したらいいのか。生活習慣と排便トラブルの関係に詳しい、高山医院・院長の宮内弘子先生に、食事や生活改善のポイントについて伺いました。

便秘を予防するために、食事はどんな点に気をつけたらいいの?

食事の量や回数を確保し、食物繊維を含んだ食物を摂りましょう
食事の量や回数が少ないと、便自体の量が減ってしまいます。また食物繊維の摂取量が少ないと、便のかさ(量)が減り、質も低下して硬くなってしまいます。食事の量や回数をきちんと確保し、食物繊維をしっかり摂ることで、便を柔らかくしていきましょう。

便秘の予防・改善のために、生活面で気をつけたいポイントは?

しっかり眠り、適度に体を動かし、便意を我慢しない!
腸は、リラックスしているときや眠っているとき(副交感神経が優位のとき)によく働きます。十分に睡眠をとることで、腸を活発に動かしましょう。
また体を動かすことで血流が良くなり、腸の働きも良くなります。軽いウォーキングや散歩ではリラックス効果もありますので、体を動かす習慣を持つといいですね。室内で座っているときも、同じ姿勢を続けるのではなく、背伸びをしたり、立ち上がったり体を動かしましょう。
便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレにいくことも大切です。便意を我慢することが続くと、便意自体を感じる感覚が鈍くなってしまいます。朝食後は、便意を感じやすいので、食後は便意を感じなくても便器に座る習慣をつけ、家を出る前にトイレに行ける時間を確保しておきましょう。

高齢者が便秘予防で、特に気をつけたいことを教えてください

食べる量が減ってないか、水分はちゃんと摂っているか確認を
ご高齢になると、知らず知らずのうちに食べる量が減って、必然的に便の量も少なってしまいます。また喉の渇きも感じにくくなるため、水分補給も足りず脱水状態ということが少なくありません。まずは食事量や水分摂取量が不足していないか見直してみてください。ご病気で水分制限している方は除きますが、水分は、寝起きにコップ1杯、午前中に1杯、午後は2時間おきに1杯、眠る前にコップ半分など、時間を決めて飲むといいかもしれません。
また年齢を重ねると、便意を感じる感覚が鈍くなり、排便のタイミングをうまくつかめないことも少なくありません。便秘で困っていたら、かかりつけ医や、消化器科などで気軽に相談してみてください。

排便時におすすめの姿勢はありますか?

排便がスムーズになるのは、前屈み35度。足置き台を置いてみて!
イラストのように、足下に台を置いて前傾姿勢で排便をすると、直腸がまっすぐになり排便しやすくなります。いわゆる“ロダン像”のような姿勢です。足置き台は、お風呂用の低めのイスを使うといいかもしれません。

痔の予防で大切なことは?

適度に体を動かして、週に何度かは湯船につかり、アルコールは控えめに
痔にならないようにするには、便秘を予防する食事方法に加えて、ウォーキングなど適度に体を動かすことが大切です。加えて、入浴時にはシャワーだけで済ませず湯船に浸かって体を温めること、アルコールや香辛料などの刺激物は控えめにすることも心がけてください。

薬が原因で、便秘になることがあるの?

鎮痛剤や降圧剤、抗うつ薬などにより便秘になることも
持病の薬を服用されている方は多いと思いますが、実は服用している薬が便秘を起こしている場合があります。鎮痛剤(痛み止め)や咳止め、血圧を下げる薬、神経性の痛みを止める薬、抗うつ剤、抗がん剤、過活動膀胱の薬などです。もしこれらの薬を服用していて便秘でお困りの場合、主治医に薬の変更は可能か、解決策はないかなど相談してみてください。